以前から一度見てみたいと思っていた古木を今年、訪ねることができました。
岡山県矢掛町東三成の圀勝寺 (こくしょうじ) の八重ツバキ。
推定樹齢は300年。9m四方に広がる枝に今なお盛んに花を咲かせ、最盛期には花で地面を真っ赤に染めるという木です。
享保15年(1730年)ころ、記念樹として植栽されたものと推定されるもので(※)、江戸時代の園芸文化を今に伝える貴重なものです。当時文化の中心だった上方や江戸でなく、備中にこのようなツバキが植えられたということは、園芸交流が盛んだったことをうかがわせます。
散り行く花を愛でるのは日本の伝統的文化ですが、これほどまでに美しい落花を見せるツバキはそうそう無いでしょう。花色は目の覚めるような赤。カーネーションを想わせる花型です。
現在は地元の方々が大切に世話をされているそうで、お話を伺っているとツバキに対する愛情がひしひしと伝わってくるようでした。
※つばき会作成パンフレット参照