出張目的地のひとつバリ島。最近、中国などのリゾート計画のお手伝いをすることもあるので、その参考視察を兼ねての訪問です。前回訪れたのは12年も前ですが、ここでも雨に悩まされることになります。
普段ならば乾期のはずが、今年は異常気象でずっと雨が降り続いているとのこと。
サウンドスケープ(音の風景)に興味を持っている植物事務所COCA-Zはバリ島のケチャ(大勢の男性が車座になって声のみで奏でる音楽舞台)を見学する予定でいたのですが、当日は大雨。
野外で行われるはずだったケチャは中止となってしましました。普段、植物事務所COCA-Zは晴男なはずなのですが、台湾で嵐を呼んでしまって以降まったくツキがありません。(泣)
バリで落ち合った友人の提案で、「道(MICHI)」というレストランへ、夕食をとりに出掛けることになりました。
「道(MICHI)」は出張前に友人からウェブサイトを教えてもらい、とても気になっていた所です。
美味しい食事をいただいているとオーナーのプロフェッサーDavid Kung(デイビッド クン)氏が偶然現れ、お話をすることに。
噂どおり、とても興味をひく風貌の方です。(プロフェッサーは日本をはじめ世界各地でお仕事をされていたため、日本語も流暢な方なのです)
食後、ホテル棟の見学をさせてもらえることになりました。「道(MICHI)」はレストランだけではなく宿泊施設としても営業されています。各部屋は世界各国の文化をテーマに装飾がなされていました。
(写真はとある部屋のベッドの装飾。ハスと白鷺とオウムのレリーフです。)
友人たちと室内見学をたっぷりと堪能した後、今度はプロフェッサーの私的な書斎に招かれました。
暗い入口から螺旋階段を上ると、その先は本でできた迷路。
床から天井まで本で埋め尽くされています。
本の通路を進むと天井の高い書斎があり、本で囲まれた窓の無いその部屋には、居心地の良い空気が流れていました。
スタッフの方が美味しいコーヒーリキュールを持ってきてくださり、プロフェッサーとのお話が始まります。
御自身が経験された太平洋戦争の話から日本の政治、食文化の話まで、話題はつきることがありません。まるで大学の研究室の講義のようです。(実際プロフェッサーは京都の大学で教鞭をとってらっしゃったこともあり、相手の話を掬いあげるのが大変上手いのです)
コーヒーと月餅(げっぺい・中秋の名月のお菓子)をいただきながら、気がつくと深夜の一時。
ホテルに戻らなくてはなりません。
名残を惜しみながらも不思議な書斎をあとにしました。
外に出ると雨がやみ、空を見上げると満月に虹がかかったmoonbow(ムーンボウ)。
とても不思議な一夜でした。
「道(MICHI)」のホームページはこちら