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植物的生活275
前回の投稿から2週間。
関西地方は桜も遅咲きの品種を残すのみ。時間の経つのが早すぎて焦ります。。。

この二週間、何をしていたかというと、

結婚式の装花を行ったり
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(会場装花にも、頭飾りにもコケ玉を使用したいとの御希望だったので、頭飾りにはコケ玉を想わせるグリーンのキクやナデシコの品種を使い、テーブルは紅白のキクを使った花手鞠で装花を行いました。頭飾りにコケを使用すると、動くたびにパラパラと降ってくるのを心配してのことです。)



和歌山の住宅で大きな木の植栽を行ったり
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(公園並みに大きな5.0mの木はモクゲンジ。海辺の住宅なので潮風に強いモクゲンジとシダレエンジュを使用しています)
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(モクゲンジはこのような花が咲く木。写真は台湾で見かけた近似種のタイワンモクゲンジです。この物件はまだ足元に低木地被を植えたり、石畳を設置する予定。)



仕入途中で事故にあい、車をぶつけられたり
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京都でクリスマスツリーを植えたり
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宿根草を使ったボーダーガーデンを作ったり
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奈良で打ち合わせの後、数年前に植栽したお宅の様子を見に行ったり
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(下の写真が植栽直後2008年3月のジューンベリー。ずいぶん大きくなったのが判ります)
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(風呂場から見えるように植えたミツバツツジも満開でした。)
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(同じく下が2008年3月植栽直後のミツバツツジ。)
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母校 (京都市立芸術大学環境デザイン学科) で非常勤講師をやることになり、レクチャー用の資料を作ったり
(同じ日に締め切りの仕事が3つもあったので、数年ぶりに一睡もしない完徹でした。。。涙)
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(上の写真はレクチャー用に過去のネガプリントから引っ張り出してきた資料。夜中に白熱灯下でデジタルカメラに落としたので、色彩がヘンですが。。。これは学生時代に友人2人と一カ月に渡って旅したインドの写真)

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(インド最南端の町、カニャークマリの教会。石造りのゴシック建築ですが、外装はオフホワイトのペンキで塗られていて、まるでホワイトチョコレートのような質感。意外ですが、インドは十二使徒の一人が布教をおこなっているため、紀元1世紀に始まる長いキリスト教の歴史があるのです。)
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(こちらはホワイトチョコレート教会の内部。水色のペンキが塗られていて、とても可愛い雰囲気。植物事務所COCA-Zはこの前年に初めてヨーロッパを旅行して、彼の地のゴシック建築を見学しすぎ、その重々しい雰囲気にウンザリしていたので、このカラフルな教会はカルチャーショックでした)

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(学生時代、初めての海外旅行、40日間西ヨーロッパ一周一人旅で見たイタリア・エステ荘のオルガンの噴水。16世紀に作られたもの。日本で言えば室町~戦国時代です。赤丸の中に人が写っているのが判るでしょうか?石造りの重厚で巨大な噴水は、日本でチョロチョロ水が出る程度の噴水しか見たことなかった植物事務所COCA-Zにとって、噴水のイメージを覆すものでした。)

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(右下に日付が入っています。93年の7月1日。当時世界中のガーデナーが詣でたホワイトガーデンのある、イギリスのシシングハースト城。 この庭は20世紀を代表するイギリス庭園のひとつ。 作者の夫婦、ヴィタ・サックヴィル・ウエストとハロルド・ニコルソンはそれぞれ同性の愛人がいながら、夫婦としてもかたい絆で結ばれていたそうで、世間の常識からはみ出した二人の感性が創り上げた庭は、固定概念に囚われず美しい景色を生み出していました。※)

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(今見ると拙さが目立つデザインですが、社会人になってから初めて一人で設計を担当した街区公園。 まだ図面をシャープペンシルで書いていた時代で、パソコンを導入していた上司に手伝ってもらって曲線の多いすべり台の設計を何とか仕上げたもの。 施工費を抑えるため、敷地内の半分を占めていた法面を大きなすべり台としました。 当時、動物の巣について興味を持っていたので、曲線で様々な隙間を造って、いくつもの子供の巣を創るというコンセプトです。 この数年後北海道で、このすべり台を更に洗練させたような事例を発見してショックを受けるのですが。。。苦笑。  この公園では鳥の巣のように、複数の子供が乗って楽しむ特注のブランコなども設置しました。)

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(会社勤めの最後の年に担当した西脇市の農業公園。地元の要望で棚田だった場所を、スイレン池を中心とした公園としたもの。当時、猛勉強して写真に写っている橋や、四阿(あずまや)の設計を構造計算からやったのですが、今ではすっかり忘れてしまいました。。。奥に見える集会場の建築はタトアーキテクツの島田陽氏の設計。)


上記のような写真を沢山引っ張り出してきて、朝までかかって資料作ったのに寝不足で頭が回らず、意味不明のレクチャーになってしまい反省。。。



その他、学生に出した課題の計画地の下見に行ったりとか、
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中国・ハルピンの大規模マンション開発のランドスケープデザインのお仕事を、植栽担当としてお手伝いをしたりとか、
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(これが昨年訪れた現場の様子。広すぎて写真一枚では全景を捉えられません)
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(ハルピンの街の視察の中で訪れた寺院の祭壇。正倉院御物などにもある仮山を、彫刻ではなく実際の植物を使って造ってあります。日本では見かけないので興味深い事例でした。)



その他、宝塚市、神戸市、芦屋市、奈良市、京都市etc...と打ち合わせや現場調査に出掛け、案を作成する日々。




あまりに忙しくて友人に誘われた花見にも参加できず、昨年も海外出張で桜を見ていないのに堪りかね、半日だけ休みをもらって高速を飛ばし、以前お施主様から教えていただいた奈良県は大宇陀にある 「又兵衛桜」 を見に出掛けました。
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樹齢300年と言われる枝垂れ桜。
石垣の上に植えられていて、春風に枝をそよがせる姿は見事なものです。

そして素晴らしかったのは、この桜を取り巻く環境。

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桜を保護するために柵が設けられていて、桜を愛する地元の方の意識が伺えます。

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近くに設置された案内板で見ると、平面図はこんな感じ。
周囲は平成9年から14年にかけて整備が行われたようです。
背景には桃園が造られ、桜の淡いピンクを華やかに盛り上げています。

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桃園の更に後ろは休耕田で、天然(?)の展望台。

前面の河川は護岸を緩やかに設計して、まるで桜を見る劇場のように設えられています。
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その他護岸も石を使ってデザインされています。
欲を言えば、石をもう少しラフで自然な感じに積んであれば更に素晴らしいものになるのでしょうが、現況のデザインでも十分に桜や景観に配慮した姿勢を感じることができます。
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又兵衛桜は石垣の上にあるため、四方どちらから見ても絵になる姿。
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帰路からは暗い杉林を背景に、桜が浮かび上がる景色を楽しむことが出ました。


その他にも景観の邪魔にならない所で、地元の方が地元産の草もちやコンニャクを販売していたり、駐車場が桜から離れた場所に整備されていて、のどかな散歩道を味わいながら桜に近づくアプローチになっていたり。

駐車場からは桜のすぐ近くまでバリアフリーの道が続いているので、子供づれの方が 「ここなら小さな子供をベビーカーに乗せて連れて来れる。」 と嬉しそうに喋っているのを聞きました。

物販は飛ぶように売れていて、地元のお年寄りが家で作った追加の草もちを自転車や三輪バイクに乗せて、嬉しそうに運んでくるのも見かけました。

観光客だけでなく、地元住民や、桜とそれを取り巻く自然環境など、すべてに幸せをもたらす素晴らしい環境デザインが行われた場所と言えるでしょう。

大変勉強になり、無理やり時間を作って出掛けた甲斐がありました。




※ 『園芸世界 2008年5月号』 横山正 著 「庭を造ったひと 訪れたひと」 参照



by coca-z | 2012-04-23 00:00 | 271-280
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植物事務所COCA-Z(コカジ) 植物的生活               註)本ブログに記載されている広告は自動的に挿入されているもので、植物事務所コカジに一切関係はありません。
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