毎日暑い日が続きますが、ムクゲ (Hibiscus syriacus) はそんな日差しに負けず咲き続ける花。
植物事務所COCA-Zでは、涼しげな白い花を咲かせる ‘玉兎(たまうさぎ/Tama-usagi)’ という品種を育てています。
夏の暑さが年々厳しくなっていくので、暑さに強い植物に興味津々。
2年前の夏、勉強のためムクゲの品種のコレクションが充実している
大阪市立大学理学部附属植物園へ視察に出掛けました。
大阪市立大学理学部附属植物園は設立に関わられていた立花吉茂氏の影響でしょうか、ムクゲを始めとするハイビスカスの仲間の他、
カンナとか、
サルスベリとか、
キョウチクトウなどのコレクションが保存されています。
その他、夏の花のコレクションとしては
ハスや、
スイレンなども充実しています。
しかしこの日も、うだるような暑さで人影もまばら。
こちらが目的のムクゲの圃場です。
様々な品種が植えられています。
植物事務所COCA-Zは ‘玉兎’ のような真っ白なムクゲが一番涼しげで好きなのですが、こんな底紅 (花の底に赤い色が入ったもの) も魅かれます。
この花は ‘モンストローサス (Monstrosus) ’ という品種。
街中で良く見かける ‘宗旦(そうたん/Soutan)’
という品種と比べると、紅の部分が濃い色で、より上品です。
底紅でなお、花びらに一筋ピンクが入った ‘白筋入(しろすじいり /Shirosujiiri)’。
こちらも優しい風情で魅力的。
ピンクの花では、この ‘紅一重’
という品種(?)の花色はよく街中でも見かけますが、もう少し濃い色でシックな品種もいい雰囲気。
(この花は品種名がまだ無いようで 「H/PSS80-5」 と札に記されていました。)
更にこの花色に近い大型の品種 ‘濃紅No.1’ や
花びらの幅が広く、少し鮮やかな濃いピンクの ‘暁1号(あかつきいちごう /Akatsuki-Ichi-go)’
さらに大型の花
(札が無く、品種名不明)
薄い紫の ‘夏空(なつぞら /Natsuzora)’
などもありました。
花形は一重だけではありません。
オシベの一部が花びらに変化した ‘白祇園守 (しろぎおんまもり /GionShiromamori)’
八重咲きになった ‘姫花笠 (ひめはながさ /Himehanagasa)’
濃いピンクの八重咲きの ‘赤花笠 (あかはながさ /Akahanagasa)’
薄いピンクの品種名不明の花
海外での育種だと思われる ‘Paeoniflorus (パエオニフロルス)’
のような造形的な品種まで、様々な花を見ることが出来ました。
ムクゲはお隣の国、韓国の国花。
戦時中は日本が現地でのムクゲ栽培を禁止・伐採し、サクラに植替えさせたそうで、その反動で戦後沢山のサクラが伐られたとのこと。
また戦時中に韓国で多くのムクゲが失われたため、戦後、友好復活の証として、日本に残されていた多品種のムクゲを韓国に贈ったという話も聞いたことがあります。
今日は第二次世界大戦が終了した日。
植物が 「相手国の憎い標的」 にされる日が再び来ないことを願いたいものです。