今年の5月に施工させていただいた壁面緑化の物件。お手入れに伺うと、植物たちはとても元気そうでした。
この住宅はモデルルーム的にも使いたい、との御意向だったため色々思案。
世界各地でよく見かけるパトリック・ブラン氏風のものだと面白くないと思い、たまたま仕入れ先で見かけた20年前の壁面緑化の事例と、小学生のころ図書館の本で読んだ『山野草の育て方図鑑』をヒントに、ヘゴ板に着生植物を着ける、という方法を採用しました。
(子どものころ、高くて買えない山野草の育て方の本を図書館で借り、その内容をよくノートに写し取っていたのです。コピーや携帯カメラ、インターネットが使えなかった頃の昔話・笑)
今年の暑い夏の間も、しっかりと水やりをされていたそうで、コケがイキイキと輝くような色をしています!
写真の赤い丸の部分などは、胞子や飛んできた種子から新たに発芽して、さらに良い感じに。
すべてが緑で覆われると、折角のヘゴ板の美しさが消えてしまうので、「間」を活かして、それぞれのヘゴ板が絵画的に見えるよう工夫してあります。
こちらが施工中の写真。
いくつかの案を御提案したのですが、モダンな住宅に合わせてミニマルな壁面緑化の案が採用となりました。
冬場が結構寒い地域なので、使用する植物で耐寒性が微妙なものは、先だって屋外越冬が出来るか実験植栽を行っています。
かなり早い段階に設計者から御相談いただき、建築を担当した工務店の方にも取り付け方などを考えていただいた上に、御施主様の愛情あるお手入れが相まって、他にはあまり見られないオリジナルな雰囲気になったと思います。
植え込んでいる数種類のランが咲くころに、是非また訪れたいです。笑
建築の設計はL.D.HOMES®(株式会社 ラブデザインホームズ)さんです。