年明けにベニシジミ (Lycaena phlaeas) の成虫を発見。
(2016年1月4日宝塚市山本にて撮影)
幼虫で越冬するはずなのですが、これも暖冬の影響でしょうか?
枯れたパニカム (
Panicum virgatum) のベージュ色と相まって、オシャレな色彩。
昨年のシンガポールの展覧会では、気候変動によって生息域が変化するチョウを取り上げて作品化したのですが、ベニシジミもそのひとつ。
『日本からの小包 -北から南へ-』
関西に住んでいると凄くありふれたチョウですが、北方系のチョウだそう。
鹿児島ではレッドリストで
「分布特性上重要」 の指定をうけているそうです。
温暖化が進めば、南日本では見ることが出来なくなるのかもしれません。
逆に温暖化で生息域を北に広げているのは、前回のブログにも登場したアオスジアゲハ (Graphium sarpedon)。『日本からの小包 -南から北へ-』
幼虫の食草であるクスノキ (Cinnamomum camphora) や、タブノキ (Machilus thunbergii) が北国でも育つようになったのが原因です。
明治時代には東京がクスノキ生育の北限だったと聞きますが、現在は緑化樹として東北地方にも植栽されます。(大正時代の明治神宮建設プロジェクトでは、参加した学者が当時のロンドンのヒートアイランド化を見て将来の東京も温暖化すると予見し、森を構成する主要樹種として生育の早い常緑樹・クスノキを選択したとか。)
ここ数年観察している、大阪市内の地植えのシンビジウムも、今年は春を待つことなく、花を開き始めましたし、(2016年1月5日撮影)
今年は温暖化を目の当たりに出来る、面白い冬です。
街でも春に咲くはずのツバキやスミレが満開になっているのを見かけますが、こちらのブログ「学芸員のひとりごと」※でも、コスモスやシャクナゲモドキ、ツバキなど色々な花が冬に咲いているのが書かれています。
この冬、自然観察超オススメです!w