吊り橋を渡るように仕事をこなしているので、ちょっと気分転換にブログ更新。
街は九月下旬に引き続き、二回目の開花を迎えたキンモクセイの香りが満ちています。
日本では刈り込まれて卵型になった樹形のキンモクセイがほとんどですが、中国で見かけた自然樹形に近い樹形のモクセイ (おそらくウスギモクセイかギンモクセイ) は、とても爽やかで美しいものでした。
(2015年3月11日 中国・寧波・天一閣にて撮影)
地面が清掃された大判の切石舗装で、足元や周囲がスッキリしているというのも関係しているのでしょう。
中国はキンモクセイを含めたモクセイの本場。
キンモクセイの親であるギンモクセイだけでなく、様々な品種があります。
因みに中国でキンモクセイの名前は丹桂。赤いモクセイの意味です。桂の漢字は中国ではモクセイを指します。(というか、昔の日本人が桂の字を間違えて解釈して、そのままになっている。)
こちらはおそらく四季咲きモクセイ。
(2015年3月11日・中国・寧波にて撮影)
最近は日本でも販売されていますが、まだまだ小さな苗がほとんど。
こちらは天一閣のミケリア (オガタマノキ) の仲間の、自然樹形に近い植栽と凝った舗装。
モクセイと同じく、香りのよい木です。
日本よりも花の香りを重視する中国らしい選択。
周囲に巡らされた高い壁には、レリーフが点景として設置されています。
凝った造りの瓦屋根が額縁となって、とても美しい空間でした。
江南の庭では高い塀で囲まれた、雰囲気の違う複数の庭が、いくつも連なるような構成になっていたりしますが、20世紀初頭に生まれたイギリスの 「ガーデンルーム」 (いわゆるイングリッシュガーデン) というスタイルも、中国庭園の影響を受けたのではないかと想像させます。
もしそうだとしたらイギリスの庭園史は18世紀の 「風景(ランドスケープ)式庭園」 と合わせて、二回の大きな影響を中国庭園から受けているんですね。
因みに天一閣の近くには、こんな美しいクスノキ並木があります。
並木に関しては、日本より中国のほうが、だいぶ先進国といった感じです。
右端にはエコ的観点から、世界的に設置が進む公共レンタサイクルも見えます。
木を大きく育てるには時間もかかるし、日本が中国に追いつくのはずっと先になるでしょう。残念。(永遠に追いつかなかったりして・・・)
日本も木がノビノビと茂って、木陰が繋がるような並木にしてほしいなぁ。。。