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植物的生活302
今回の出張で一番印象に残った空間は、
屋内ではメキシコシティ、ルイス・バラガンのカプチーナス修道院 (Capilla de las Capuchinas)
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(こちらの修道院は屋内撮影禁止なので、中庭の写真のみです。でもここは小さな扉から中庭に入った瞬間に、プロポーションの良さのせいか、上質な空間の雰囲気を感じます。)


屋外空間ではニューヨークのハイラインパーク
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そしてメキシコ・ヒリトラ(Xilitla)のジャングルの中にある庭園、ラス・ポサス(Las Pozas)でしょうか。

特に印象的だったラス・ポサスは、たまたま数年前に海外の本で見かけてその存在を知った場所。
行ってみたいと行き方を色々調べてみたのですが、自家用車(もしくはレンタカー)で行く方法しか見つかりませんでした。
そこで現地のホテルにメールで問い合わせすると、メキシコシティからの夜行バスに乗らなければならないとのこと。(メキシコは国際免許証が使えないらしく、公共機関の交通手段を使わなければなりません。鉄道はほぼ廃線になっているので、メインはバスか飛行機。飛行機はヨーロッパとは違い、お金持ち用の乗り物です。)

このバスはネットでは購入出来ないので、現地で手配が必要。

『地球の歩き方』を見ると、2等の夜行バスは以前日本人学生が殺害された事件があり、避けるように書かれています。

「じゃあ、現地で1等の夜行バスを予約しよう」 と現地でチケットオフィスに行くと 「この場所へは2等の夜行バスしか運行していません。」 と言われました。

この地方はここ2年ほどの間にマフィアの抗争がはげしくなっている場所らしく、ニューヨークで知り合ったメキシコ人にも 「行くの止めるべきだ。」 と言われていたので、最後の最後までどうしようか悩んでいたのですが、行く方法がこれしかない以上、今回を逃したら体力的にも一生無理だと思い、行くことに決めました。

乗車時には身体検査や荷物検査があり、戦慄がはしります。
でも検査ちゃんとしてくれるならましか、と気を取り直して乗車。

現地に着くまで 「すんなり殺されるならまだしも、仕事が出来ないような障害を持って生きていくことになったら辛そうだな。。。」 とか考えたり、暗闇の中、途中乗車してくる人たち (身体検査なし!) を見て 「この人たち強盗かも。。。」 と想像してビビりまくり。

それでも何とか真っ暗な中、無事近くの街まで着きました。
たまたま居合わせた英語を喋れるカップルと同じタクシー(と言ってもトラック)でラスポサスを目指します。
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(写真は朝もやの中に浮かび上がるラスポサスの入り口)

カップルはもう少し先の別の場所までタクシーで行くとのことで、真っ暗な中一人で開園を待つことに。
周りに誰も人がいない場所なので、かえって安心です。

鳥や虫の声、渓流の音のサウンドスケープを楽しみながら、2時間ほど時を過ごしました。

夜が明けてくると色々なものが目につき始めます。
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大木の枝一面に付く野生のチランジア(エアプランツ)。

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白い実が付いているのは木にぶら下がって育つ多肉植物、リプサリス。
植物事務所COCA-Zもピンクの実の品種を育てていますが、自生しているのは初めてみました。
多肉植物だからと思って乾燥気味に育てていたので、空中湿度の高い生育環境を見てビックリ。やはり自生地を見るのは勉強になります。


結局、開園にはまだ一時間ほどあったので、先にホテルに行ってから戻ることに。
中に入ってみると
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コンクリートで造られた造形物と、熱帯の植物のフォルムが一体となって魅了されます。

ホテルの方と喋っていると、この場所は庭として美しいだけでなく、土壌流出をおこさないよう、土地を段々畑状に造成し、渓流も小さなダムで水を落とすようにしていて、土木的にも優れているとのこと。

小さなダムは観光客の格好の遊び場になっていました。
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もともとこの場所はランと動物たちの楽園を目指したそうで、(寒波によるランの枯死で方向を変更したそうですが) こんなランや鳥たちを見ることもできます。
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スタンホペア・ティグリナ(Stanhopea  tigrina)でしょうか?
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しかし、ここは熱帯多雨林。鉄筋コンクリートで造られた構造物はすでに朽ちているものもあり、修復作業と植物のコントロールがなされていますが、維持管理は大変なようです。
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この庭園の作者、エドワード・ジェイムスは、世界のあちらこちらから絵葉書を送ってきて 「この写真のようなものを造りたい」 と指示を出していたそうですが(宿泊したホテルPosada James Xilitlaでのヒアリング)、このような急斜面の場所に建設するのは大変だったでしょう。

このイマジネーション溢れる動植物の楽園が、いつまでも存在していてほしい、と思いながらラス・ポサスを後にしたのでした。
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Las Pozas への行き方

メキシコシティからは北バスターミナルからTrasnportes Flecha Amarilla社のバスが出ています。

メキシコシティ21:00発 ヒリトラ(Xilitla)5:30着と
メキシコシティ22:00発 ヒリトラ(Xilitla)6:30着の2本がありました。

前述のように2等の夜行バスは安全性に懸念があるので、この手段を使われる方は自己責任でお願いします。

バス停からはタクシーで10~15分ほど。メキシコ全般にそうですが、基本的に英語は通じないのでスペイン語で交渉しなければなりません。

ホテルの人によると、別の方法として、タンピコ(Tampico)からバスで4時間、もしくはタクシー(およそ200ドル)という方法もあるようです。
帰路はケレタロ(Querétaro)行きのバスを使ったので、おそらくケレタロからヒリトラへ向かうバスもあるでしょう。
こちらも2等のみで、所要時間は約8時間です。



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ヒリトラを去るバスから後ろを振り返ったところ。
行く時は真っ暗で判りませんでしたが、すごい山道を越えていたようです。(ヒリトラは写真の山の奥にあります)



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by coca-z | 2012-07-31 00:00 | 301-310
植物的生活301
先ほど出張から戻りました。

今回は最初からハプニング続きで、珍しくヘトヘトです。。。
最後は宿泊していた街の道路が警察によって閉鎖され、飛行機に間に合わず、帰国が一日遅れてしましました。


明日からは通常営業いたしますので、よろしくお願いいたします。



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by coca-z | 2012-07-28 22:26 | 301-310
植物的生活300
色々な方の御協力を得て、2012年7月9日から27日まで、研修・視察のため出張に出掛けています。

今回の目的地はメキシコ。
学生時代から憧れの場所だったルイス・バラガンの庭や建築も見て回る予定です。

前回の海外出張は 中国・ハルピンと大連。亜寒帯の気候でしたが、今回は熱帯地方。
(国内では3月に 亜熱帯の沖縄 があったのですけれども。)
しかし熱帯と言えどもメキシコシティーなどは高原地帯です。
中米は初めての訪問なので、どのような植物や空間に会えるか楽しみです。

メキシコの中央高原はダリアの故郷。ダリアはメキシコの国花でもあります。

植物事務所COCA-Zもダリアが好きで、切り花では こんな のや、 こんなの にダリアを使っていますが、なかなか育てて綺麗に咲かせるのは難しいもの。

日本では夏の暑さで弱ってしまうダリアも、涼しい気候では美しい花を咲かせます。

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写真は以前、出張で訪れたスウェーデン・ストックホルムの植物園で見かけたもの。
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9月だったので、かなり気温も低く、色彩が鮮やかです。

植物園には小さな日本庭園もあります。
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手入れは行き届いていましたが、灯篭はなんだかムーミン物語に出てきそうな雰囲気・笑


冬の夜が長い北欧の人はカラフルな色彩を好むと聞きますが、植物園の花だけでなく、図書館の本棚もカラフルでした。
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(グンナー・アスプルンド設計の図書館内部)


今回の出張は途中、友人の住むニューヨークに立ち寄るので、古い高架鉄道跡地を利用した緑道公園、ハイ・ライン (The High Line) などの様子も御報告できると思います。




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by coca-z | 2012-07-09 00:00 | 291-300
植物的生活299
庭の管理は 「第二の設計」 と呼ばれます。

同じ庭でも、管理のやり方によって全然違う空間になるからです。

なので管理作業も結構 「創造的」 な仕事。



こちらの庭に最初に伺った3年前。
低木(サツキツツジ)が、うっとうしいボリュームに成長していたので、数年かけて、いくつかのカタマリに分けることにしました。

下の写真が3年前
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そして先日の様子。
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藪の中から彫刻を彫り出すようで、なかなか面白い仕事です。

トム・ステュワート・スミスが造る庭のように、サラサラした質感の植物を合わせると、この刈り込みの庭も、更に面白いものになると思います。

写真右に見えるのはイヌマキの 「玉散らし」 と呼ばれる刈り込み仕立て。

最近は人気がなく、良い木はみんな中国へ輸出されてしまっているそうですが、同じくトム・ステュワート・スミスの、このホテルの庭のように、使い方を変えれば面白い空間をつくれるように思えます。
(この庭で使われているのは、恐らくイヌマキよりも耐寒性のあるツゲかイチイの類でしょう。)


玉散らしの樹形は和風庭園に付き物のように思えますが、この仕立て方は日本だけの文化ではありません。

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こちらはバンコクにある国立博物館の前の植え込み。

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こちらはタイ式マッサージで有名なワット・ポーというお寺で見たもの。

日本のものより、なんとなくひょうきんで、愉しい雰囲気がします。

この仕立て方はタイの王宮前広場でも見られるので、結構格式が高いものなのでしょう。


同じくワット・ポーの境内には、こんな刈り込みも。
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これは日本で観葉植物として鉢植えにされるベンジャミンゴム。

なかなかインパクトがあります。




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by coca-z | 2012-07-04 00:00 | 291-300
植物的生活298


どうやったら住み良い社会になるのか、考える日々です。






庭の手入れをしていると、様々な虫に出合います。

タイガー模様のカミキリムシ (タケトラカミキリ)
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パンダ模様のカミキリムシ (ラミーカミキリ)
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by coca-z | 2012-07-02 00:00 | 291-300



植物事務所COCA-Z(コカジ) 植物的生活               註)本ブログに記載されている広告は自動的に挿入されているもので、植物事務所コカジに一切関係はありません。
by coca-z
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