植物的生活163
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植物事務所COCA-Zは連休中、親族の法事に参加するため四国に出掛けていたのですが、そこで美しい景色に出会いました。
溢れるように咲くカノコユリです。

19世紀から20世紀にかけてヨーロッパに盛んに輸出され、一世を風靡したカノコユリ。道行くお遍路の人たちも、石垣からこぼれ咲く姿に心を慰められることでしょう。
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昨秋、法事でこの地を訪れた時には圧倒的な虫の声に驚きましたが、今回は30年ほど前の幼少期以来見ることのなかったドジョウなどの小動物が復活しているのに吃驚しました。

親族に聞くと農薬の使用が減ったため、カエルなどの小動物、そしてその捕食者であるヘビなども増えているとのこと。
夜には近くの神社からアオバズク(小型のフクロウ)の声も聞こえます。

この神社の社叢のはかつてムササビも住んでいたそうですが、そのうち姿を見せるようになるのかもしれません。
ただムササビが戻ってくるには樹齢の古い高木が必要なので、戦後半世紀以上にわたって自動車で踏みつけられた土を耕し、傷めつけられた神木のクスノキ等の樹勢回復に努めることが必要ではないかと見受けられました。


農業をおこなう別の親族に話を聞くと、この辺りでも野生のシカ、イノシシ、ニホンザルが増えているそうで、特にサルは植えたばかりの野菜苗を遊びで抜いてしまうとのこと。
空中からもやってくるサルの被害にあうと、地面を歩きタケノコしか食べないイノシシが可愛く感じるとのことです・苦笑


鉄砲解禁と近代化による自然破壊が行われる前の江戸時代以前、人々は「シシ垣」と呼ばれる土塁や石垣、堀を築いて畑を囲み、その中で作物を作ったり、寝ずの番を立てて作物の見張りをしたそうですが、フェンスや電気柵に姿を変えて新しい「シシ垣」をつくる時代になっているのかもしれません。

20世紀以降、山に追い払われたシカやイノシシ、サルたちは元々平野部にも住んでいた動物たちです。100年以上の時を経て野生動物が再び身近になっている現代、新しい付き合い方が模索されていくのでしょう。

大阪に戻ってからインターネットを見ていると「この五年ほどイノシシがタケノコを食べつくして、新しい株を再生できないタケが枯れ始めている」という書き込みを見かけました。

タケノコをとるモウソウチクは江戸時代に中国から移入された外来種ですが、中山間の高齢化に伴い、管理の届かないモウソウチクが雑木林等に侵入して生態系を壊すというので全国的に問題になっています。

増えた(もとの数に戻った?)イノシシは意外にモウソウチクの暴走を止める役割を果たすのかもしれません。


参照: 『野生動物問題』 羽山伸一氏著 地人書館
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by coca-z | 2010-07-21 00:00 | 161-170
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