今年始めに依頼があって、旧暦の二十四節気七十二候に因んだ花をいけることになりました。(いつまで続くかは不明なのですが・・・)
こちらは 「雨水」 の花。なごり雪のイメージです。
絵を描いているのは芦澤竜一設計事務所さんにポルトガルからインターンで来ているアレクサンドレ氏。仕事が忙しいようで、花と絵がずれていますが、絵は 「立春」 の次候 「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」 です。
これは 「大寒」 の初侯 「款冬華(ふきのはなさく)」。
絵はセンスがあってとても素晴らしいのですが、彼は書にも挑戦していて、こちらは立春の様子。
ブルーノ・ムナーリが書く漢字などを見てもそうですが、日本人が書くよりも象形文字に見えて新鮮です。
「春」 の滲みなどは、ウメの蕾のようにも見えてきます。
このプロジェクトの打ち合わせを兼ねてのビジネスランチで、「ポルトガルのお勧め建築家は誰ですか?」 という質問をしたところ、教えてもらったのがPaulo David (パウロ・ダヴィッド)氏。
丁度、芦澤竜一事務所さんに彼が特集された雑誌があり、写真を見ながら解説を聞くと、確かに興味深い建築家です。
これは美術館だそうですが、岩だらけの島にある建物のため、潮風に耐えて島の岩場に生える植生をモチーフにデザインされた屋上庭園があります。
この美術館の参照サイトはこちら1 2
最近巷では 「緑いっぱい」 な屋上庭園ばかりがもてはやされますが、このように風土を意識させる設計態度は見習いたいものです。デザインの納め方もカッコイイ。
こちらは現地の自然を見せる観光施設の建物。
屋上に池が設けられていて、それが水鏡となり、周囲の谷を写しこむのだそう。
通路に沿って小さな水路が設けられているのですが、それはこの地域の伝統的な灌漑施設を模したものとのこと。
昨年話題となったノルウェーの自然観光を促進する施設群 などもかなり魅力的ですが、日本でも維持管理の出来なくなるような高速道路を造るのでなく、このような展開をしたらいいのに、と思ったりします。
現地を日本語で取材した記事はこちら
こちらはPaulo David設計のプール。
階段のトンネルを抜けると海辺に広がっているそうで、こんなにカッコイイのにホテルではなく、公共プールだそう。
海側は階段状になっていて、視覚的に海に繋がっています。
よりプールの全体像を見やすいサイトはこちら
Paulo Davidの本は世界でもまだこの雑誌一冊しかないそうですが、売り切れのため手に入りません。。。涙
昨年アルヴァ・アアルト賞を受賞したようなので、今後世界的に有名になるでしょうから、作品集の出版も期待したいものです。
というか、ポルトガルに行って実物を見たい!
また行きたい場所が増えました・笑