週末は京都の町屋の坪庭の追加植栽。
3年前に一度工事に入らせていただいた物件です。
こちらが3年前の様子。
改装時に出た石や瓦を利用したいとの御意向でした。
それで植物事務所COCA-Zが御提案したのがこのような内容。
石材等の設置工事はお施主様御自身でされるとのことで、植物事務所COCA-Zはモミジを一本植えるのをお手伝いさせてもらいました。
(2010年6月12日撮影)
そして今年、お施主様から低木や地被を自分で植えてみたけれど、なかなか上手くいかないとの御相談を受けて、打ち合わせに伺った時にはこんな雰囲気に。
再利用品の石材や瓦だけでなく、あちこちから集めた素材を使って庭らしくなっています。
瓦を土に埋め込むのがとても大変だったそう。
モミジも茂り、日陰の部分が多くなっていたので、そういった環境に強い樹種を選んで植栽させていただきました。
モミジは落葉樹なので、冬場の緑を確保できるよう、常緑を主体に構成してあります。
セルフビルドで造った庭は、お施主様も愛着が湧くようで、維持管理にも愛情を感じます。
時期的にモミジの剪定が出来なかったので、今後どの枝を切るのが良いかアドヴァイスさせていただきました。
庭が成熟していく時間が楽しみです。
帰り道、去年から気になっていた早咲きのサクラが丁度満開だったので写真を撮るため、車から降りて視察。
この並木は数年前に開通した高速道路(第二京阪)に沿って新しく植えられたもの。
今年の東京や福岡ではソメイヨシノが既に満開だそうですが、大阪や京都ではまだこれから、といった雰囲気です。
ここに植えられているのは ‘陽光(ようこう)’ と思われる早咲きのサクラで、ソメイヨシノより早く、濃い色の花を咲かせます。
下の写真の場所はサクラの足元にジンチョウゲの花が咲いていて、視覚的にも嗅覚的にも春を感じる景色です。
ジンチョウゲは強烈な日差しに弱いのであまり道路の植栽帯には使用されませんが、この場所は周囲のビルと高速道路で強い日差しが避けられるからでしょう、結構綺麗に育っていました。
しかし並木の背景にはこんな所も。
看板や強烈な色の建物のおかげでサクラが綺麗に見えません。。。
こちらのサクラの背景にあるのはベーカリーレストラン・サンマルクさん。
サンマルクさんの店舗はいずれも三角屋根に植栽帯が余裕を持って設けられていて、看板は派手じゃないのに、車を運転していてもすぐに認識できます。
このように建築と植栽のイメージを統一して、店舗サイン計画を展開しているチェーン店は珍しいのではないでしょうか。
街並みにも寄与していて、店内からの眺めも緑が多く、とても良い関係に思えます。
しかし、このサクラ並木は車から見ることを前提に計画されているようで、歩道側から見るとこんな感じ。
全然サクラを楽しむことが出来ません。。。
もうこれ以上高速道路はいらないので、歩いて気持ちが良い道をもっと整備してほしいです。。。
今回、サクラ ‘陽光(ようこう)’ について検索していたら、こんなサイトに行きあたりました。
日本さくら交流協会
サクラ ‘陽光(ようこう)’ は植物事務所COCA-Zが会社勤めの時代から気になっていたサクラですが、こんな反戦のエピソードを持つサクラとは知りませんでした。