週末、岐阜での仕事が予想より早く終わったので、帰り道に以前から行ってみたかった 「養老天命反転地」 を見学しました。
一言で感想を述べるなら、
「凄かった。。。」
日本に、こんな場所があるんだなぁ。
昔、雑誌 『BRUTUS』 に連載されていた 「愛と欲望の庭づくり」 という記事を元に一冊にまとめた
『フランスの庭 奇想のパラダイス』 横田克己氏著 新潮社 2009年1月25日発行
という本があるんですが、その 「奇想の庭」 の系譜を感じました。
入場料は750円もするのに、チケット売り場はこの行列。
地方の公共の公園で、こんなに人が並ぶ事って珍しいのではないかと思います。
中の施設は、とにかく破天荒。
安全第一で縛られがちな公共工事なのに、この石積。
伝統的な日本庭園での石の美意識を、完全に無視しているのも素晴らしい。
この公園が作られたのは1995年だそうですが、その当時、既に流行遅れだったコニファー類の中でも、特に古臭い部類だったコノテガシワとゴールドクレストが大量に植えられています。
それが大きく育って、この公園の異質感を強調しているもの面白い。
一部は傷んだり、大きく育ち過ぎて眺望を遮るためか、かなり伐採されているようです。
そして、また同じ樹種を補植してあるのもいいなぁ。
昨今の日本の庭では、かぼそい枝ぶりの繊細な(ある意味弱々しい)樹木、もしくは奇妙な形の多肉植物等への嗜好が強く、植物を中心に空間が構成される事が多いですが、この養老天命反転地は植物に頼りすぎない、まったく正反対の価値観で創られていて大変刺激的。
剪定管理や補修などは、かなり大味ですが、公園の摩訶不思議な魅力は失われていません。
庭園を創り出す上で、植物はほんの一要素でしかない事を認識させられます。
ビックリするほど真っ暗な長い通路とか、
手をとらないと転んでしまう急斜面も沢山あって、吊り橋効果満載!笑
寝ころびたくなるような舗装って、日本にどれだけあるでしょうか。
こんな場所が、現代日本に公共施設として存在するなんて奇跡に近い。
一見の価値ありです!
お知らせ
以前、植栽のお手伝いをさせていただいた タトアーキテクツ (島田陽建築設計事務所) さんの 「月見山の住居」 が、現在発売中の雑誌 『BRUTUS』 に掲載されています。
ご興味のある方は是非、御高覧下さい。