庭の手入れの昼休み、お昼ごはんを買いに行く途中で、何やら重く甘い香りが。
見上げると廃校になった小学校で茂ったクズ (Pueraria lobata) の花でした。秋の七草。
現在では世界侵略的外来種ワースト100に選ばれているクズですが、昔の国内の園芸書を見ると藤棚に利用されている事例も見られます。
高知の牧野植物園の中庭には、クズの変種・シロバナクズ (Pueraria lobata f. leucostachya) が植栽されていて、タイワンマダケ(Phyllostachys makinoi) の葉との組み合わせが綺麗でした。
二階デッキから見た風景。
手摺に絡ませてあるのがシロバナクズです。
見学時に丁度咲いていたシロバナクズの花。
(2017年7月12日撮影)
シロバナクズもタイワンマダケも大きくなる植物なので、いずれも一階に地植えして、二階まで伸ばしてあります。
クズを描いた絵と言えば、酒井抱一の 「夏秋草図屏風」 が有名ですが、大きく平面的な葉っぱはナカナカ絵になるので、いけばなの素材としても面白い。
車を運転していると、フェンスや壁面に巻き付いて登ったクズをよく見かけますが、
「壁面緑化、あれでいいやん。。。」
と思うような事例も時々見かけます。
(マルカメムシが集まるのはちょっと・・・って感じですが。苦笑)
先日訪れた宇治植物公園では、まだ苗でしたが、斑入りのクズが植栽されていました。
(2017年9月5日撮影)
斑入りなら、若干成長の勢いが弱く、コントロールしやすいかも。
雑草と言えども、使い方次第で結構カッコイイ。
中央はヨモギ (Artemisia indica var. maximowiczii) 、左はセイタカアワダチソウ (Solidago altissima)。
(2009年9月5日撮影)
こちらは、タネから勝手に生えたと思われるナツヅタ。
車から降りられない場所だったので、ちゃんと確認出来なかったのですが、おそらくこの隙間から生えているのでしょう。
(2017年5月13日撮影)
壁面緑化の可能性を感じます。
でも、このように育てるにはタネとか小さな苗から育てないといけないので、成果をすぐに出さないといけないプロジェクトでは待ってもらえないだろうな。。。
以前、批判を浴びたマルビルの壁面緑化も、オーナーや世間が植物の生長する時間を待てない=成果を急ぎ過ぎる から造花を使用する事になったんだと思います。
植栽から3年ほど経った時の様子。
(2017年1月17日撮影)
風化したのか、批判の影響で撤去したのか、造花はだいぶ減って、かなり実際のツタの割合が増えていました。
最初に造花を使って隙間を埋め、その後に実物のツタを茂らせる方法、マルビルの事例を遡ること数年前、梅田の何ヶ所かで同じ方法で施工されていました。
継続して観察していると、3年くらいでツタの成長が造花を凌駕して造花を覆い尽くし、実際のツタに入れ替わっていました。
安藤さんが住んでいるという噂のタワーマンションのエントランスにも、当時同じ方法でアイビーが植栽されていたので、きっとそれを見て採用したんだろうな。。。とういのが植物事務所COCA-Zの想像です。