普段はあまり手入れの仕事で追われることはないのですが、この年末は仕事が重なっててんやわんや。。。
自分が植栽した物件しか手入れを引き受けないことにしているのですが、今回はお世話になっている方からの依頼で特例も。
10年前にお施主様が少しだけ植えた植物が庭全体に広がったり、鳥や風が運んだ自然実生の植物が繁茂した自然味あふれる庭。
手の入りすぎた庭には無い、詩的な魅力があります。
そのウィルダネス感を失くしてしまわないようにお手入れするのですが、さじ加減が難しい。
色々試行錯誤でしたが、予定されているテレビ撮影にもなんとか間に合いました。
こういった手入れは普段の植栽工事とは別の 「引き算の美学」 と言えるかもしれません。
この季節、モミジを植栽したいくつかのお宅から紅葉の美しさの便りが届くのですが、手入れで伺ったこちらの庭も植栽から数年経ち、モミジが美しい色彩。
手入れ終了時の夕暮れには、ライトアップで紅葉が照らされていました。
気温が下がる中、お施主様が
「ここがとても気持ち良いんです。」
とデッキテラスに佇んでらっしゃるのを見るのは、植栽冥利につきます。
仕入れと後片付けの合間をぬって逸翁美術館の蕪村を見に。(以前も書きましたが、植物事務所COCA-Zは蕪村がとても好きなのです)
中庭のモミジがきれいな色彩。
風が当たらず、日差しも弱い場所なので枝が繊細。
開けた所なら先日の台風で枝が折れてボロボロ折れてしまったでしょうが、壁に守られた場所を活かした美しい仕立てです。
昼休みに千里ニュータウンの松林内で見つけた大きなサザンカ。
白いフリルの花が濃い緑に凛と引き立ちます。
こちらは仕入れの合間に見つけたツルアジサイの黄葉。
忙しい時も美しい物を見つける心は無くしたくない、と意地になってます。(苦笑)